基油となるベースオイルに色々な役割を果たす添加剤をブレンドしたものがエンジンオイルです。
ベースオイルは一般的に原油を精製して作られます。石油の一種であるナフサを化学合成させたものが合成油、不純物を除去・精製されたものが鉱物油になります。シェルは独自の合成技術ピュアプラス・テクノロジーにより天然ガスから合成油を生み出し、クリスタルのような高純度を誇ります。Shell HELIX ULTRA/ EXTRAには天然ガス由来の合成油を使用しています。
化学合成されている合成油は構成している分子が均一である一方、鉱物油は精製度が低く、分子が不均一かつ不純物が含まれています。
鉱物油に比べて分子が均一である合成油は強い油膜を形成し、エンジンオイルの高い性能につながります。また、オイルの劣化の原因となる水分の侵入を防ぎ、熱による蒸発にも強いこともあげられます。
基油であるベースオイルによってエンジンオイルの性能が大きく左右されますが、複数の添加剤がブレンドされることでエンジンオイルに個性が生まれ、独自の製品が出来上がります。
エンジンオイルには性能や品質を表すための規格が複数あります。
よく知られているのはアメリカ石油協会が定めているAPI規格、アルファベット2文字で表記されます。ガソリンエンジン用はServiceの頭文字Sで始まり、2番目が等級を表します。
最新のエンジンオイルの規格は20年に設定されたSP規格、省燃費性を含む総合性能が評価されています。API規格に合格した製品にはドーナツマークが印刷されており、規格・粘度・省燃費が表示されています。
※製品パッケージに表示されているマークとは色合いが異なりますので、ご注意ください。
ILSAC規格とは、環境対策として省燃費性を追求するために日本とアメリカの自動車工業会が共同で設定した規格です。
ILSAC規格が発行されるには、APIの新規格をクリアした上で、更に厳しい省燃費性能を合格することが求められます。
最新の規格は20年に設定されたGF-6となり、合格した製品には0W-20以上の粘度にはスターバーストマークが、
0W-16にはシールドマークが表示されています。
JASO規格とは、日本自動車技術会が日本の排ガス規制に対応し、2000年代から設独自に設定した規格です。
主な規格はDL-1およびDL-2、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるススを除去する
フィルター「DPF」が装着されたクルマに対応しています。
DL-1が小型車向けの規格、DL-2はトラックやバスなどの大型車向けの規格です。
Shell HELIX HX7 DIESEL DL-1はJASO規格を満たしている製品です。
クリーンディーゼル乗用車などの小型ディーゼル車
トラックやバスなどの大型ディーゼル車
最後に紹介するのは欧州自動車工業会が設定したACEA規格です。
主に2つのカテゴリーに分類、A/Bカテゴリーはガソリン・ディーゼル兼用のエンジンオイルの規格で、
Cカテゴリーがクリーンディーゼル乗用車向けの規格です。
Shell HELIX ULTRAはACEA規格を満たしているので、国産車のみならず、欧州車にも適用されます。
粘度とは、エンジンオイルの硬さのことを言います。
オイルには柔らかいものから硬いものまでさまざまな種類があり、その分類に使われるのがSAE粘度グレードです。
SAEとは米国自動車技術者協会の略で、エンジンオイルの粘度を番号で規定しています。
市販されているエンジンオイルには必ず SAE粘度グレード が表示されています。
粘度グレードの見方について、WとはWinterの頭文字をとり、
前半の数字が小さいほど低温時に硬くなりにくい特性を持ち、低温時の始動性が良いことを示します。
0に近くなればなるほど、低温時の抵抗が小さく、燃費向上につながります。
一方、後半の数字が大きいほど高温時に硬さを保ち、高温時の油膜保持性が高いことを示します。
あなたのクルマのエンジンの性能に合ったオイルについてはShell LubeMatch オイル検索システムで確認してください。
また、あなたのクルマの走行条件などに合ったオイル提案についてはお近くのシェルピットで尋ねてみてください。
近年、地球温暖化対策として、自動車メーカーはCO2削減のため省燃費性能を追求してきました。
エンジンオイルについても省燃費性能を追求した結果、SAEグレードで0W-16や0W-20といった
「省燃費オイル」が多く採用されています。
従来の5W-30と比べて0W-20による燃費改善効果は約4%と試算され、
ガソリンの年間利用金額で換算すると約3,300円の経済効果になります。
10W-30と比べると、その燃費改善効果は約6%となり、約5000円の効果となります。
オイルの粘性は温度の上昇に伴い低くなるため、エンジンが温まるまでの始動時の粘性が最も高く、その抵抗も大きいです。5W-30と0W-20の粘性を比べると、エンジン始動から温まるまでの粘性の差が大きく、この間の抵抗が燃費の差となってあらわれます。近所の買い物や送迎などの「チョイ乗り」は油音があまり高くならない走行条件を続けるので、省燃費オイルが適しています。また、停車時にエンジンがストップするアイドリングストップやハイブリッド車にもおすすめです。
クルマのエンジン性能を引き出すには、新車装填オイルの性能を基準に選ぶことをShellはオススメします。
ベースオイルは部分合成以上を選び、カーメーカーが推奨する粘度グレードを確認しましょう。
0W-16や0W-20といった省燃費オイルが推奨されている場合、その粘度を使用することで燃費改善が最も期待できます。
5W-30や10W-30などの粘度グレードを使用してもトラブルが起こることはありませんが、
燃費が悪化するリスクがあります。
一方、5W-30や10W-30が推奨されている場合、エンジンの構造上、省燃費オイルは使用できません。
エンジンへのオイル供給不足、油膜切れを起こすリスクがあるので注意が必要です。
エンジンオイルは劣化するため、定期的な交換が必要です。
劣化したオイルを使い続けると、エンジン本来の性能が発揮されず、
燃費悪化や故障などのトラブルを引き起こす可能性があります。
オイルが劣化する主な原因とは、
1. ススや金属摩耗粉がオイルに溜まり、性能が低下すること
2. 粘度を保つ添加剤が減り、潤滑性能が失われること
3. 高温の空気と触れ合うことで酸化が進むこと
4. 燃料と一緒にオイルが燃えて蒸発すること
第三者機関の試験結果によると、Shell HELIX ULTRA OWシリーズを使用すれば、
オイル交換の間隔が15,000km(オイル補充なし)であっても、ほぼ堆積物が発生しないことが実証されています。
さらにオイルの蒸発を抑え、最大83%の劣化抑制効果が認められています。
自動車メーカーが推奨するエンジンオイル交換の目安は、乗用車であれば、
走行距離15,000㎞または走行期間1年とされています。
ただし、走行条件が厳しい「シビアコンディション」では、
目安の半分(約7,500kmまたは半年)での交換が推奨されます。
自動車メーカーが考えるシビアコンディションとは、
走行距離の30%以上が7つの走行条件いずれかに当てはまることを言います。
ただし、日本の気候や道路環境を考えると、ほとんどのクルマがこの条件に当てはまるといえます。
Shell HELIX ULTRAであれば、優れた耐久性能に加えて、高い環境適応性を兼ね備えているので、
オイル交換の間隔も長くなり、安心してドライブできます。