シェル パノリン生分解性潤滑油の特長 ~環境性能と機械保護性能を両立する理由~

シェル パノリン生分解性潤滑油の特長 ~環境性能と機械保護性能を両立する理由~

前回の記事では、生分解性潤滑油が河川工事、海洋・港湾設備、鉄道保線、林業機械など、環境リスクの高い現場で広く採用されていることをご紹介しました。

しかし、生分解性潤滑油に対しては今でも、

「環境には優しいが、性能は妥協が必要なのではないか」

というイメージを持たれることがあります。

確かに過去には、生分解性を優先するあまり、酸化安定性や寿命に課題を持つ製品も存在しました。

しかし現在のシェル パノリンは、生分解性だけでなく、高い機械保護性能や長寿命性能を実現した高性能潤滑油として世界中で採用されています。

01シェル パノリンとは

PANOLIN(パノリン)は、スイスで生まれた環境配慮型潤滑油ブランドです。

1980年代から生分解性潤滑油のパイオニアとして、建設機械、林業機械、水力発電設備、海洋設備など、環境への配慮が求められる分野で数多くの実績を築いてきました。

2022年にはShellグループがPANOLINの環境配慮型潤滑油事業を買収し、ブランド、製品技術、知的財産、OEM承認実績を継承しました。

現在は「シェル パノリン」として、ShellのグローバルネットワークとPANOLINが培ってきた技術を生かし、世界中のユーザーに提供されています。

02シェル パノリンが選ばれる理由

シェル パノリンが評価されている理由は、生分解性だけではありません。

環境性能に加え、

✔ 優れた潤滑性能
✔ 高い耐摩耗性能
✔ 優れた酸化安定性
✔ 長寿命性能
✔ 低温性能

を兼ね備えていることが、多くのOEMメーカーやユーザーから支持されている理由です。

そのため、河川工事、海洋・港湾設備、鉄道保線機械、林業機械、水力発電設備など、環境配慮と機械保護性能の両立が求められる現場で採用が進んでいます。

03高性能を支える飽和合成エステル技術

シェル パノリンの最大の特長は、高品質な飽和合成エステルをベースオイルに採用していることです。

生分解性潤滑油の主流である②HEES(ISO 15380で定める合成エステル系)の中でも、飽和合成エステルは特に優れた性能を備えています。

主な特長は、下記の通りです。

✔ 高い酸化安定性
✔ 優れた耐熱性
✔ 長寿命性能
✔ 優れた潤滑性能
✔ 優れた低温流動性

シェル パノリン S4 HLP Synthシリーズは、この飽和合成エステル技術を採用することで、環境性能と高い機械性能を両立しています。

 

 

04OEMが認める高性能

生分解性潤滑油が実際の油圧機械で使用されるためには、環境性能だけでなく、機械保護性能も厳しく評価されます。

シェル パノリンの代表製品である S4 HLP Synthシリーズ は、ISO 15380やEN 17181への適合に加え、生分解性油圧作動油として世界で初めてBosch Rexrothの油圧作動油規格 RDE 90245 に適合しており、厳しい油圧システムの性能要求にも対応しています。環境性能と機械保護性能を高いレベルで両立していることが大きな特長です。

これは単に「生分解する油」ではなく、油圧機器メーカーが要求する性能基準を満たした高性能作動油であることを意味します。

 

05高性能を裏付ける試験データ

シェル パノリン S4 HLP Synthシリーズは、潤滑油の寿命や信頼性を評価する各種試験においても優れた結果を示しています。

Dry TOST(酸化寿命試験): 約6,000時間
優れた酸化寿命を示し、長期間安定した性能を維持します。

オイルに酸素・金属(銅・鉄)を加え、一定の条件で加熱・攪拌しながら酸化の進行を測定する試験。
劣化しにくいほど(時間が長いほど)、優れています。

 

RPVOT(酸化安定性試験): 700分以上
高い酸化安定性を有し、オイルの劣化を抑制します。

回転容器式酸化安定度試験。容器に潤滑油を入れ、酸素を供給しながら高温で回転させ、酸化の程度を測定する試験。
数値が長いほど、優れています。

 

ISOT (135℃/48h酸価上昇試験): ΔAN = 0.07 mg KOH/g
酸価上昇が極めて小さく、オイルの長寿命化に寄与する優れた酸化安定性を示しています。

容器にオイル、触媒(銅板・鉄版)を入れ、一定の条件で攪拌後の汚染(酸化劣化)を測定する試験。
劣化が少ないほど(グラフが小さいほど)、優れています。

 

耐摩耗性能(シェル4球摩耗試験):摩耗痕径0.35 mm
優れた耐摩耗性能を示し、機器の③摩耗抑制と安定稼働に貢献します。

オイルを充填した容器に固定した3つの鋼球の中心に、高速で回転する鋼球を押しつけ、その損傷の程度を測定する試験。
摩耗痕径が小さいほど、優れています。

 

これらの試験結果は、シェル パノリンが単なる環境対応油ではなく、鉱物油や一般的な合成油と比較しても遜色のない高い機械保護性能と長寿命性を実現していることを示しています。

その結果、

✔ オイル交換周期の延長
✔ メンテナンス負荷の低減
✔ 設備停止リスクの低減
✔ ライフサイクルコストの削減

にも貢献します。

06環境性能と機械保護性能を両立

環境配慮型潤滑油に求められるのは、生分解性だけではありません。

シェル パノリンは、

✔ 生分解性(自然環境中で微生物による分解が進みやすいこと)
✔ 低生態毒性(魚類や甲殻類、藻類などの水生生物への悪影響が小さいこと)
✔ 生物無蓄積性(生物の体内や食物連鎖の中で蓄積しにくい性質)

といった環境性能に加え、

✔ 優れた潤滑性能(機械をスムーズに動かし、摩擦や発熱を抑える性能)
✔ 高い耐摩耗性能(ポンプやバルブなどの摩耗を抑え、機器寿命を延ばす性能)
✔ 高い酸化安定性(熱や酸素によるオイル劣化を抑え、性能を長期間維持する性能)
✔ 長寿命性能(オイル交換周期の延長や保守負荷の低減に貢献する性能)

も兼ね備えています。

つまり、

「環境対応だから選ばれる潤滑油」ではなく、
「高性能だから選ばれ、その結果として環境にも配慮できる潤滑油」

であることが、多くのユーザーから評価されている理由です。

07まとめ

シェル パノリンは、生分解性潤滑油のパイオニアとして培ってきた技術と、Shellのグローバルネットワークを組み合わせた高性能潤滑油です。

飽和合成エステル技術(高い酸化安定性と長寿命性能を実現するベースオイル技術)
Bosch Rexroth RDE 90245適合

主要油圧機器メーカーの厳しい要求性能をクリア
高い耐摩耗性能(シェル4球摩耗試験:摩耗痕径0.35 mm)

ポンプやバルブなど油圧機器の摩耗抑制に貢献
優れた長寿命性能(Dry TOST 約6,000時間)

長期間にわたり安定した性能を維持
高い酸化安定性(RPVOT 700分以上)

酸化によるオイルの劣化を抑制
極めて小さい酸価上昇(ISOT 48h:ΔAN = 0.07 mg KOH/g)

オイルの長寿命化に寄与し、スラッジやワニスの発生抑制に貢献

などに裏付けられた高い機械保護性能を有しながら、生分解性・低生態毒性・生物無蓄積性も実現しています。

環境保護と機械保護の両立が求められる時代において、シェル パノリンは河川工事、海洋・港湾設備、鉄道保線、林業、水力発電など幅広い分野で選ばれている生分解性潤滑油です。

次回は「生分解性潤滑油に関するよくある質問(FAQ)」をお届けします。

 

パノリンWebサイトはこちら

【シェル パノリン製品の詳細はこちら】

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