レシプロ航空機用のエンジンオイルの役割と、オイル選定において重要な粘度についてご紹介します。
ピストンエンジンオイルの役割
ピストンエンジンオイルは、エンジン内部で以下の機能を発揮します。
– 可動部品間の摩擦抑制
– 内部の冷却
– ピストンリングとシリンダの間の密封
– 加工精度の高いエンジン部品のさびや腐食の防止
– ほこりやスラッジ、ニスなどの有害な汚染物質の侵入を防止
これらの機能を発揮するために重要になるのが、適切な粘度グレードの選定です。
適正な粘度グレードの選定
たとえば、エーロシェル オイルとエーロシェルWオイルでは、それぞれ4種類のグレードの商品があります。それぞれのグレードは、粘度だけが異なっています。どの型式のエンジンに対しても適したグレードのオイルを選択することができるという一般原則はありませんが、レシプロエンジンメーカーのLycoming(ライカミング)では、下表に示すように、エンジン始動時の平均外気温を基準として、最も適したグレードのオイルを選定するための目安を紹介しています。
周囲温度 °C (°F) | –12(+10)以下 | –17~21
(1~69) |
16~32
(60~89) |
26(78)以上 |
SAEグレード | 30 | 40 | 50 | 60 |
エーロシェル オイル | 65 | 80、W80、W80 Plus | 100、W100、W100 Plus | 120、W120 |
周囲温度 °C (°F) | 全温度 |
SAEグレード | SAE J1899 Grade Multigrade |
エーロシェル オイル | W 15W-50 |
注:大型エンジンの場合には、主に事業者の経験に基づいてオイルを選択します。従来から、気候帯に基づいてオイルを選択する傾向が見られます。温帯地域ではエーロシェル オイルW100/W100 Plusが推奨され、さらに高温の地域ではエーロシェル オイルW120が推奨されています。
また、同じマルチグレード“SAE J1899 Grade Multigrade”でも15W-50と20W-50のように商品によって粘度が異なります。これらの違いについて、動画でご紹介します。
まとめ
日本のように季節によって寒暖差の大きい地域では、シングルグレードのオイルを使う場合、夏と冬で粘度を変える必要があります。一方、マルチグレードのオイルは年間を通じて一つのオイルを使うことができます。
また、同じマルチグレードであっても、エーロシェルオイルW15W50は他社20W50のピストンエンジンオイルと比較し、半分の時間でエンジン内を潤滑し、摩擦防止すなわち部品を保護します。
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