日本ではヘリコプターはあらゆる用途で使用されています。
滑走路を使わず離着陸できるため、離島や山間部で人員や貨物の輸送で活躍し、テレビ局の報道中継や空撮等でも使われています。
救急搬送用のドクターヘリ、災害救助用の防災ヘリ、沿岸警備隊や海上保安庁の巡視船と協力しながら洋上捜索救難活動にまた、自衛隊では警戒監視、対潜哨戒機として使用されています。
これらの用途で使用され、また過酷な条件で使用される機会の多いヘリコプターは、エンジン、トランスミッション、油圧システムのいかなる故障も防がなければなりません。いざという時にすぐに飛び立てるように、適切な整備を行うことが重要です。
では、ヘリコプターに使用される油脂類はどのようなポイントで選べばよいのでしょうか?油脂類を選定する時、
●機体の取得推奨規格は何か
●その規格に適合した商品は何があるか
●実績のある商品はどれか
●安い商品はどれか
など考えることがたくさんあります。今回は、選定で最も重要なポイントを紹介します。
ヘリコプター油脂類の選定ポイント
選定の一番のポイントは機体保護性能です。機体保護性能の優れた油脂類は、高い荷重や圧力に耐え、雨や塵などの外的要因から機体を保護することで、部品の腐食や摩耗を防止・軽減することができます。これにより故障防止に加えて3つのメリットが生まれます。
1.コスト削減
部品の腐食や摩耗を防止・軽減することにより、お客様のヘリコプターをより長く良好な状態に保つことができ、部品交換のコストを削減することができます。
2.稼働率向上
最適な油脂類で部品を保護することで、修理回数を削減し稼働率を向上させることができます。
3.機体価値の維持
機体の価値は、使用される時間が経過するごとに下がっていきますが、部品の損傷を防ぐことで機体の価値を長期間維持することができます。
Shellの航空製品AeroShellシリーズは機体保護性能に優れ、ヘリコプターの安定稼働や、お客様の整備のサポートができます。AeroShellシリーズの中から、ヘリコプターに使用できる航空用オイル・グリースをご紹介いたします。
AeroShell Grease 14
<推奨用途>ヘリコプター用 多目的グリース
<適合規格>MIL-G-25537C
<メリット・貢献できること>
AeroShellグリース14は、ヘリコプター用多目的グリースの代表的な製品で、多くのヘリコプターメーカーから承認されています。
フレッティング摩耗抑制効果もあるため、特にメインローターやテールローターのベアリング、スプラインなどの保護性能に優れています。
※最新の承認状況は各ヘリコプターメーカーにご確認をお願いいたします。
AeroShell Turbine Oil 555
<推奨用途>ヘリコプター トランスミッションおよびギアボックス
<適合規格> DOD-PRF-85734A
<メリット・貢献できること>
最近のトランスミッションやギアボックスでは、より大きなパワーや高負荷伝達が必要でありMIL-PRF-23699のエンジンオイルでは満足できないことが明らかになってきました。このような状況において、多くのヘリコプターメーカー(及び米国海軍)は、高負荷対応の100℃動粘度5[mm2/s]を満たすオイルをヘリコプター用トランスミッションオイルとして採用しています。AeroShell Turbine Oil 555は高負荷に対応した5[mm2/s]の合成油で、熱安定性および酸化安定性に優れています。
※最新の承認状況は各ヘリコプターメーカーにご確認をお願いいたします。
AeroShell Turbine Oil 560
<推奨用途>ヘリコプター 大型ターボシャフトエンジン
<適合規格>MIL-PRF-23699G HTS
<メリット・貢献できること>
Aeroshell Turbine Oil 560はコーキングおよび摩耗の低減が期待できるエンジンオイルであり、シール材との相性も優れています。その性能から多くの規格、機体メーカーの承認を取得しています。
こちらの商品に関連する記事は下記リンクにてご確認ください。
「タービンエンジンオイルの選定で何が変わる?」
AeroShell Oil W15W-50
<推奨用途>ヘリコプター 小型ターボシャフトエンジン
<適合規格>SAE J-1899マルチグレードオイル
<メリット・貢献できること>
過酷な環境下でのエンジン保護を目的とした半合成無灰分散剤オイルであり、早いエンジン始動や良好な耐摩耗性を実現しています。
こちらの商品に関連する記事は下記リンクにてご確認ください。
「ピストンエンジンオイルの選定で何が変わる?」
まとめ
ヘリコプターはエンジン、トランスミッション、油圧システムといった、様々な箇所の整備が求められます。適切な油脂類の選定によって、お客様の所有機体の安定稼働や整備コストの削減ができます。現在お使いの油脂類を一度見直してみてはいかがでしょうか?是非ご検討ください。
ご不明点ございましたら、お気軽に下記までお問い合わせください。
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