清浄分散剤とは・・・
正確には、清浄剤(金属系清浄剤)と分散剤(無灰分散剤)をまとめて清浄分散剤と呼び、主にエンジンオイルで使われる添加剤になります。構造と働きとしては以下の図のようになります。
1.清浄剤
洗浄剤は金属系のヘッドとハイドロカーボンテール(親油基)で構成されていて、金属面の汚れを取り、酸性物質の中和をする働きがあります。
2.分散剤
分散剤はスラッジなどの汚染物質を油中に分散させて、スラッジ同士を固まらせないようにする働きがあります。
清浄分散剤の働き
潤滑油、特にエンジンオイルは燃料室近くなどで、熱によってどうしても小さなスラッジが発生してしまいます。発生するスラッジを完全に無くすことは不可能ですが、スラッジをうまく閉じ込めることはできます。清浄分散剤がうまく働かないと、下の図のようにスラッジ同士が凝縮してしまい、大きな粒子に成長していくことになります。清浄分散剤は、このような大きなスラッジになってしまうのを未然に防ぐ役割をしています。
清浄分散性に優れているオイルがもたらすメリット
清浄分散性に優れたオイルは、以下のようなメリットがあります。
1.摩耗の抑制によるエンジン保護性能の向上
スラッジが大きくなると、それがエンジンの部品と部品の間で異物となって潤滑不良を起こし、摩耗を促進させてしまうことになります。エンジン保護の観点からも、スラッジが大きくなる前にしっかりと分散させることのできるエンジンオイルが必要になります。
2.フィルタ寿命の延長
清浄分散剤の効果が優れていると、スラッジは細かく分散され、フィルタが捕捉するスラッジの量が少なくなり、フィルタの目詰りを抑えられるため、交換サイクルの延長(フィルタの購入費用の削減)が図れます。そのためにも、清浄分散性が優れているオイルを選ばれることをお勧めします。
3.スラッジに起因する粘度増加の抑制
スラッジが多く発生すると、粘度上昇に繋がってしまう原因になります。意図しないエンジンオイルの粘度上昇は、粘性抵抗によりエンジンそのものの動きを妨げてしまい、結果として燃費の悪化に繋がってしまいます。
どんなところで清浄分散性が良いオイル、悪いオイルが分かるの??
清浄分散性が良いオイル、悪いオイルは目に見えるところで知ることができます。
1.オイルプリントアナリシスによる診断
オイルプリントアナリシス(OPA)で、エンジンオイルの分散性をチェックすることができます。オイルがきちんとスス、スラッジ分を抱き込むことができているか、目で見てわかるようになります。
2.フィルタ―でのチェック
下図はバイパスフィルタ―の比較写真です。フィルタ―を見るとオイルの分散性が良いかどうか判断することができます。分散性の良いオイルは、フィルタ―の目詰まりや歪みがなく、長く使用することができます。
エンジンオイルを選ぶときは、是非、清浄分散性もチェックしてみてください!
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