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潤滑技術 - 産業オイル編

ギヤ歯面の損傷例とオイルでできる改善

ギヤ歯面の損傷とは

工業用の機械には、非常に多くの箇所にギヤ(歯車)が使用されています。基本的には「力の伝達」を行う装置ですが、さらには「軸の回転速度を変える」、「回転の方向を変える」、「軸の運動方向を変える」といった働きを担います。
ギヤに対し適切な潤滑と荷重が与えられれば、初期摩耗でなじみがついた後は、ゆっくりと摩耗が進行するだけで長い寿命があります。しかし、実際には歯面の摩耗や疲労による剥離、装置系に混入してくる異物(砂埃、摩耗粉など)の噛みこみによる損傷等、トラブルが起きるケースも少なくありません。今回は、ギヤの損傷の種類とそれを解決するための方法として、潤滑油に関連する部分に焦点を当てて説明いたします。

ギヤ歯面の損傷の名称とその意味

ギヤの損傷はその状態によっていくつかの名前に分類されています。主要な損傷要因を大きく分類すると図1のようになります。

1.ギヤの損傷分類と名称
歯車損傷分類表

2. マイクロピッチングの例

マイクロピッチング

ピッチングとは材料が疲労破壊を起こし斑点状の微孔が生じる損傷のことを言います。また、つや消しのような状態で現れる微細なピッチングのことをマイクロピッチングと呼びます。

3.スカッフィングの例

スカッフィング

スカッフィングとは、なんらかの理由により潤滑が適切に行われず金属面に引っかき傷が生じる損傷のことを言います。

4. アブレッシブ摩耗のイメージ図

アブレッシブ摩耗のイメージ図

アブレッシブ摩耗とは、異物の混入や突起物によって軟質材の表面が削れてしまう現象で、やすりで削り取られてしまうように摩耗が発生します。

損傷の原因とオイルに関連する対策

ギヤの損傷には、オイルで改善ができる現象も数多く存在します。代表的なものを下記の図5にまとめます。

図5. ギヤ損傷においてオイルで改善ができる現象まとめ

ギヤ損傷においてオイルで改善ができる現象まとめ

1. 機械仕様・使用環境確認
ヤ油において、適切な粘度を選択することは最も重要な要素です。機械が指定する粘度番手(例:VG150やVG220)を使用できているかを最初に確認する必要があります。ただ、使用される温度によってはこの指定粘度だけが全てではないケースもあります。あまりに温度が高ければオイルが柔らかくなり過ぎていることもありますし、低温であればオイルが硬くなり過ぎているケースも考えられます。使用環境と、その機械の潤滑に必要な粘度を見極めることが重要です。

2. 正しい潤滑管理
正しいオイルを選定している限り、新品のオイルを入れてすぐに故障することは滅多にありません。しかし時間が経過し、オイル交換を忘れていた、オイルの補充を忘れていた等、人為的なミスによるトラブルも少なくありません。また、数年に一度の定期交換を確実に実施していても、「その間に外部から金属粉の混入がありアブレッシブ摩耗が発生してしまった」、というケースも考えられます。このように、オイルの状態をできるだけ高い頻度で確認することが重要です。数年に1回のオイル交換だとすると、半年おき、もしくは1年おきにオイルの分析を行い、オイルの状態をチェックすることを推奨いたします。

3. 適切なオイルの選択
機械の仕様に合わせた運用、正しい潤滑油の管理、この二つに加えて、適切なオイルを選択することが重要です。オイルの性能によってマイクロピッチングを抑制できることがあり、また極圧性がより高いオイルを選定することでスカッフィングなどの焼き付きを防止することができます。現在トラブルが起きていないとしても、時間経過や使用環境の変化でトラブルが発生しやすくなる可能性があり、できるだけ性能の優れるギヤオイルを選択することが必要です。また、潤滑性だけではなく、金属への腐食防止性能、水分離性能、長寿命性など、トータルでの性能を確認することが重要です。

まとめ

ギヤは機械全体の「要」であり、トラブルをいかに防止するかが重要です。オイルの選定、適切なオイルの管理は、プラスでかかる費用は大きくなく、防げるトラブルの大きさからするとリーズナブルな取り組みと言えます。今一度、ギヤオイルの選定を見直してみてはいかがでしょうか?

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