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潤滑技術 - 航空オイル編

航空機用グリースの選定で何が変わる?

航空機の過酷な環境

航空機のさらされている環境は非常に過酷です。巡航高度と呼ばれる約1万メートル上空の外気温は-40℃です。真夏であれば気温30℃の滑走路から20分程度で-40℃の世界に飛び込んでいるのです。飛行中は雷に当たることもあり、海に近い空港では潮風にさらされ、雨の日も雪の日も運航しています。
航空機の運航に欠かせない油脂類も同様の環境にさらされており、高い性能が求められます。以下は製品の一例と、使用温度範囲になります。

AeroShell Fluid…航空用作動油
●AeroShell Fluid 3(-54ºC~+121ºC)
●AeroShell Fluid 31(-40ºC~+205ºC)
●AeroShell Fluid 41(-54ºC~+135ºC(加圧システム), -54ºC~+90ºC(開放システム)

AeroShell Grease…航空用グリース
●AeroShell Grease 33 (-73ºC~+121ºC)
●AeroShell Grease 64 (-73ºC~+121ºC)
※AeroShellシリーズの商品一覧はこちらから

上記のように航空用の油脂類は広い使用温度範囲が求められます。
では、他にはどのような性能が求められるでしょうか?
外装に近い場所で使用されるグリースに注目して重要な性能を紹介します。

航空機用グリースの選定ポイント

航空機に使用される油脂類はMILの規格や機体メーカーの承認を受けているものがほとんどですが、実は同じ規格を取得していてもその性能に違いがあります。選定において重要なポイントを3つ紹介します。

1.防錆性

冬になると航空機の安全な離着陸のために滑走路には凍結防止剤が散布されています。この凍結防止剤は航空機の金属部品の錆や腐食の原因となります。小さな部品であっても錆や腐食が発生すれば重大な事故につながる恐れがあります。錆や腐食の発生した部品は交換が必要ですが、交換には大きなコストがかかります。リスクや余計なコストをグリースで回避できることを知っていますか?

下の写真は2つのベアリングにグリースを充填し、凍結防止剤Aviform L50に浸して1週間回転させた後のベアリングレース面の写真です。

防錆性の優れたグリースを使用することで航空機部品の錆や腐食を防ぐことができます。もし錆びた部品を頻繁に効果することを当たり前とお考えであれば、その工数とコストをグリースで削減してみませんか?

2.機械的安定性

グリースの軟化しにくさを示すのが機械的安定性です。グリースは強いせん断や、高温条件で使用するとグリースの構造が破壊されて軟化してしまいます。機械的安定性に優れたグリースは軟化しにくく、過酷な環境でも長い時間給脂箇所に留まって役割を果たします。一方、機械的安定性が劣るグリースは使用中に軟化し、グリースの漏れ、潤滑不良、騒音などの現象が起きる可能性があります。
MIL-PRF-23827C Type1 のグリース同士で比較した結果を以下に示します。

機械的安定度試験

3.耐水性

耐水性の優れたグリースは雨で洗い流されず、機体を保護することができます。耐水性の劣るグリースは雨によって簡単に洗い流されてしまうため、密封作用が失われ、金属を錆びさせる成分や部品を傷つける塵などが混入しやすくなります。潤滑作用も失われるため異常摩耗が発生する危険があります。
こちらもMIL-PRF-23827C Type1 のグリース同士で比較した結果を以下に示します。

以上のように、航空機のグリース選定のポイントは防錆性、機械的安定性、耐水性です。これらの観点で優れたグリースを使用することで部品の劣化を防ぎ、機体整備にかかる工数、コストを削減することができます。

まとめ

航空機は過酷な環境にさらされており、使用されるグリースにも過酷な環境に耐えうる性能が求められます。適切なグリース選定によって部品の寿命を延ばし、整備の工数とコストを削減できる可能性があります。
今まで当たり前と考えていた作業をグリースの見直しによって削減しませんか?
当社では、防錆性、機械的安定性、耐水性に優れ、BMS 3-33規格を満たした最初のグリースAeroShell Grease 33をラインナップとして取り揃えております。ご興味がございましたら是非ご検討ください。

ご不明点ございましたら、お気軽に下記までお問い合わせください。

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