シェル ルブリカンツ ジャパン株式会社

潤滑油グリースコンテンツ

潤滑技術 - 陸運オイル編

カーボン生成量の少ないディーゼルエンジンオイルとは

DPF目詰まりを軽減するためには、以下2つの観点でのオイル選定が重要です。
1)カーボンの生成量が少ないエンジンオイルを選定すること

2)蒸発量の少ないエンジンオイルを選定すること
ここでは「カーボン生成量の少ないエンジンオイル」について考えていきたいと思います。

カーボン生成の由来

エンジン燃焼室で軽油とともに燃焼されたエンジンオイルからカーボンが生成されますが、そのカーボンの由来の一つはエンジンオイルに含まれる粘度指数向上剤(ポリマー)と呼ばれる添加剤です。ポリマーは低温始動性や省燃費性を向上させるために必須の添加剤です。まずはポリマーの働きや特徴についてご説明します。

粘度指数向上剤の働きと特徴

1)低温始動性や省燃費性の向上

エンジンオイルは、ベースオイル(基油)と各種添加剤から構成されますが、ベースオイルは低温になると粘度が上がり(固くなる)、高温になると粘度が下がる(シャバシャバになる)特徴を持ちます。一方で粘度指数向上剤はベースオイルと逆の温度粘度特性を持ちます。例えば冬場のエンジン始動時にオイルが固くなりすぎると、オイルがエンジン内に行き届かずに部品摩耗が起きたり、固いオイルで粘性抵抗が増し燃費が悪化したりという不具合が生じます。こうした始動性や燃費に関わる課題をクリアするために、マルチグレードのエンジンオイルには必ず粘度指数向上剤が使用されます。

下記の図は温度と粘度の関係、また粘度指数向上剤の効果を示しています。
例えば10W-30という粘度グレードのエンジンオイルを作ろうとした場合、粘度指数の高いベースオイル(例:合成油)を使用した場合、一般的なベースオイルと比べて粘度指数向上剤の添加量を少なくすることができます。

ベースオイルの違いと粘度指数向上剤の添加量のイメージ図です

 

2)カーボンの生成

粘度指数向上剤はベースオイルと比較して非常に大きな分子量の化合物であり、また粘着性を有しています。そのため高温にさらされるとカーボン化(炭化)しやすいという特徴を持ちます。
下記の写真は、ベースオイルと粘度指数向上剤それぞれを高温にさらしたあとの残渣物です。ご覧のとおり、粘度指数向上剤は残渣物が多く、ドロッとした粘着状になっています。この粘着状の残渣物がカーボンで、これがDPF目詰まりを促進させます。

カーボンの生成する仕組みを説明する図です。

カーボン生成量の少ないエンジンオイルとは

ここまでをまとめると、DPF目詰まりを軽減するためには、「カーボン生成量の少ないエンジンオイル」の選定が効果的であり、カーボン生成量の少ないオイルとは「粘度指数向上剤の添加量を少なく設計したエンジンオイル」です。DPF目詰まり改善を図りたい運送需要家様・建機需要家様は、粘度指数向上剤の添加量に着目してエンジンオイルを選定頂くことをお勧めします。

 

ご不明点ございましたら、下記までお問い合わせくださいますようお願いいたします。

お問合せ・資料請求|シェルルブリカンツジャパン株式会社 (SLJ)
シェル ルブリカンツ ジャパン株式会社は昭和シェル石油株式会社の会社分割により潤滑油・グリースの研究開発/製造/販売事業を承継いたしました。