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潤滑技術 - 陸運オイル編

蒸発量の少ないディーゼルエンジンオイルとは

DPF目詰まりを軽減するためには、以下2つの観点でのオイル選定が重要です。
1)カーボンの生成量が少ないエンジンオイルを選定すること
2)蒸発量の少ないエンジンオイルを選定すること
ここでは「蒸発量の少ないエンジンオイル」について考えていきたいと思います。

オイルの蒸発特性

エンジンオイルはベースオイル(基油)と各種添加剤から構成されます。エンジンオイルの蒸発特性(蒸発のしやすさ)は主に、エンジンオイルの粘度と、エンジンオイルを構成するベースオイルのタイプによって左右されます。

 

1)粘度

通常、粘度が高いオイルほど蒸発しにくい傾向があります。下記の図は、オイルの粘度・ベースオイルの分子量・蒸発特性のイメージを示したものです。
ベースオイル構造のイメージ図です。

 

2)ベースオイルのタイプ

また同じ粘度どうしを比較した場合、合成油や精製度の高いベースオイルほど、一般的な鉱物油よりも蒸発しにくい傾向があります。下記の図は、同じ粘度を前提としたベースオイルのタイプ別の分子量分布のイメージです。分子量が小さい留分は蒸発しやすいため、同じ粘度であっても低分子留分の少ない合成油は蒸発しにくい特徴を持ちます。

ベースオイルの分子量分布のイメージ図です。

 

エンジンオイルの蒸発特性の比較

上記のとおりオイルの蒸発特性は主に粘度とベースオイルタイプによって決まります。では実際に市場で流通している複数のエンジンオイルの蒸発特性の比較をご覧ください。下記のA~Bは排ガス規制対応車に適応するDH-2認証油で粘度グレードは10W-30です。同じ粘度グレードでも、蒸発特性に大きく差があることがご理解いただけると思います。

 

蒸発量の少ないエンジンオイルとは

ここまでをまとめると、DPF目詰まりを軽減するためには、「蒸発量の少ないエンジンオイル」の選定が効果的であり、蒸発量の大小は「粘度」「ベースオイルタイプ」によって決まりますが、粘度は蒸発特性の観点だけでなく、エンジンの保護や燃料希釈の観点でも適正なものを選択する必要があります。そのため同じ粘度を前提とした場合「ベースオイルタイプ」が重要な要因となります。
DPF目詰まり改善を図りたい運送需要家様・建機需要家様は、エンジンオイルの蒸発特性の確認とベースオイルタイプに着目してエンジンオイルを選定頂くことをお勧めします。

 

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