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潤滑技術 - 陸運オイル編

DPF目詰まりの要因と目詰まり軽減のためのエンジンオイル選定

DPF閉塞(目詰まり)の発生要因

DPFはディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質(通称:PM, 成分はスス・カーボン・オイルミスト等)を補足し排気ガスをクリーンにするエンジン補機で、酸化触媒とセラミックフィルターから構成されています。排ガス規制対応には必須な重要な技術ですが、一方でセラミックフィルターの目詰まりが促進されると、走行中のフィルター再生燃焼や定期的な洗浄作業や交換が発生するなど、ディーゼル車両ユーザー様の運行やメンテナンスへの負担が発生します。ここではDPF目詰まりの発生要因について考えていきたいと思います。

まずはDPF目詰まりの発生要因についてみていきます。DPFで補足する物質は以下の3つがあります。

  • 1)軽油の燃焼により発生するスス
  • 2)エンジンオイルに含まれる金属分
  • 3)エンジンオイルの燃焼によって発生するカーボン

ススは発ガン性と呼吸器系障害への影響から排出量を厳しく規制されています。
1)の軽油の燃焼により発生するススは、そもそもDPFを搭載する目的そのものですが、2)と3)のエンジンオイルに由来する金属分とカーボンは、意図せずDPFに補足されて目詰まりを促進させてしまいます。目詰まりが進行すると、自動再生あるいは手動再生により補足物を強制燃焼し、フィルターを繰り返し長期間使用できる状態に保ちます。一方で燃焼しきらない補足物が徐々に堆積していき、洗浄作業でも回復しない堆積レベルに達すると交換が必要になります。

DPFの自動再生メカニズムについて記載されています

 

この補足物の堆積の進行速度に影響するのが、エンジンオイルに由来する金属分とカーボンになります。

エンジンオイルに含まれる金属分

エンジンの保護や長寿命化のために、エンジンオイルにはエンジン内の清浄度を保つ効能をもつ金属系添加剤が必要となります。エンジンオイルはエンジンの燃焼室内で軽油とともに燃焼し、エンジンオイルの成分も含んだ排気ガスがDPFへ送り込まれます。このエンジンオイル由来の金属分は、DPFフィルターの再生燃焼を受けても燃え残り堆積するため、DPF寿命(交換期間)を短くする要因となります。
このエンジンの保護とDPFへの適合性を両立するエンジンオイルの品質規格としてJASOが定める「DH-2」があります。エンジンオイルに含まれる金属分(灰分)を制限することで、フィルター目詰まりの進行速度を低減することができます。そのため、DPF目詰まりを低減するためのエンジンオイルの選定は、まず「DH-2」認証油を使用することが大前提となります。

日・米・欧のディーゼルエンジンオイルの品質規格について、年代を追って記載されています。

 

PMの発生量とエンジンオイルの関係

ディーゼルエンジンの燃焼で発生する粒子状物質(PM)は、軽油由来のスス、エンジンオイル由来のカーボンやオイルミスト・飛沫、未燃焼軽油などで構成されています。PMの構成要素としてオイル由来は1/3以上を占めており、エンジンオイルはPMの発生量に大きく関わっています。そのためPMを減らし、DPF目詰まりを軽減するためには、

  • 1)カーボンの生成量が少ないエンジンオイルを選定すること
  • 2)飛沫量や蒸発量の少ないエンジンオイルを選定すること

が重要になります。以下のページで、もう少し詳しくご説明します。

ディーゼルエンジン PM低減技術と潤滑油について
PM低減させるためのエンジンオイル選定の大事なポイントをご紹介し、またその背景の潤滑技術をわかりやすく説明しています。